TOPページ
事務所案内
サービス案内
親なきあと
財務支援
お問合せ
相続
作成日:2026/10/23
実家と介護がもたらす一般のご家庭の相続問題について

長野県松本市の税理士、行政書士の奥原です。

数多くの相続の現場を観てきた税理士の視点から、なぜ一般のご家庭で実家と介護が絡むと相続のタイミングで揉めてしまうのかをお伝えします。
今回は「実家の相続が心配な子世代」に向けて、相続で揉めないための方法を分かりやすく解説します。


「最近、親も年老いてきたな……」
ふとした実家の帰省の折に、このようなことを感じることはないでしょうか?
それと同時に、頭の片隅をよぎる
「実家の相続」や「親の介護」の不安。

ただ多くのご家庭が、「うちは兄弟仲が良いから大丈夫」「たいした財産もないし、揉めるはずがない」と、その不安から目を背けます。
しかし、数多くの現場に立ち会ってきた経験から、最初にお伝えしなければならない現実があります。
それは家庭裁判所で争いになっている
約8割は、遺産総額5,000万円以下の「ごく普通の家庭」という事実です。

第1章:なぜ「実家」と「介護」が相続で揉めるリスクを秘めているのか?

ごく普通の家族。それなのに、なぜ相続が始まった途端に、まるで人が変わったように激しいぶつかり合いが始まってしまうのでしょうか。
そこには、不動産という財産の特殊性と、「介護」という目に見えない感情のすれ違いがあります。

�@ 「きれいに切り分けること」ができない実家という財産

現金や預金であれば、1円単位できっちり分けることができます。
もし親の遺産が「現金2,000万円」だけであれば、子ども2人で1,000万円ずつ分けて終わりです。
しかし、財産が「価値2,000万円の実家」だけだったらどうでしょうか。「現金と同じくきれいに分ける」というわけにはいきません。

  • 長男:「自分がこの家に住み続けたい(だから家は俺のもの)」
  • 次男:「住まないなら売って、半分のお金(1,000万円)をくれ」
  • 長男:「そんな急に言われても、お前に払う1,000万円なんて現金は持っていない!」

これが、実家相続で起きる対立の基本形です。家をどちらかが引き継ぐなら、もう片方にはそれに見合う「現金」を渡さなければ不公平になります。
しかし、その現金が用意できないために、話し合いがストップしてしまうのです。

また長野県は山間や農村のエリアが多くこれらの地域は不動産の価値が低いのが一般的です。
この地域の相続では、実家や農地、山林などはお互いが擦り付け合う事態もよくみられます。

�A 介護の苦労は「目に見えない」からこそ不満が爆発する
実家の相続において、最も激しい火花が散るのが「介護をがんばった人」と「遠くで見守っていた(何もしてこなかった)人」の温度差です。

親の認知症が進み、夜中に何度も起こされ、自分の仕事やプライベートを犠牲にして介護をしてきた子ども。
一方で、年に1〜2回、盆と正月にだけ顔を出して「お父さん、元気そうでよかった」と言って帰っていくだけの兄弟。
介護をしてきた側からすれば、こう思うのは当然です。
「私はこれだけ努力をして、お父さんを支えてきた。だから、この実家は私がもらう権利があるはずだ」


しかし、介護の苦労や、費やした時間、精神的なすり減りは、通帳のように「数字」として目に見えません。
そのため、介護に関わっていない兄弟からは、その重みがまったく理解されず、
「家族なんだから面倒を見るのは当たり前でしょ」と一蹴されてしまうのです。

そしてその争いの中心にあるのが、他ならぬ「実家(不動産)」と、目に見えない「介護の負担」なのです。
仲の良かった家族が、親が亡くなった途端にバラバラになってしまう——そんな状況を未然に防ぐための方法を解説します。

次回、第2章 親が亡くなった時、兄弟に訪れた「4つの現場」に続きます。

 


あずさ税理士法人

長野県松本市中央1丁目21−3 長野県理容会館2階南号室
TEL: 0263−87−1712  FAX:050−3730−1922

©あずさ税理士事務所