作成日:2026/10/01
第4回 親御様の相続手続きが「詰まって」しまったご家族のその後 ― 成年後見制度という選択肢
今回は、相続手続きが止まってしまったご家庭の「その後」についてお話しします。
遺言書がなく、話し合いもまとまらないと…
親御様が遺言書を遺していない場合、相続人全員での遺産分割協議が必要になります。
ところが、相続人の中に認知症や知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分な方がいらっしゃると、話し合いそのものが成立しません。
すると、お子様はいつまでたっても親御様の財産を相続することができない、という状況に陥ってしまいます。
打開策は「成年後見制度」しかないのが現状です
このような状況を動かせる手段は、現状、成年後見制度を活用するしかありません。
成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分な方を、法律的に保護し、支援するための制度です。
実際には、家庭裁判所に申し立てを行うところから始まります。
流れはこのようになります。
1. 家庭裁判所に申し立てを行う
2. 家庭裁判所が、判断能力が不十分な方をサポートする**後見人**を選任する
3. ご家族と後見人とで、遺産分割協議を進める
4. 協議がまとまり、ようやくお子様が親御様の財産を相続できる
なお、現在は弁護士や司法書士などの専門職が後見人に選任されるケースが多くなっています。
なくてはならない制度。でも、実は…
成年後見制度は、判断能力が不十分な方を法的に支えるうえで、なくてはならない制度だと私は思っています。
この制度を活用して相続手続きを無事に終えられたご家族を、これまで数多く見てきました。
ただし、制度である以上、どうしても副作用が生じてしまう面があります。
実は、親なきあとの成年後見制度の本当の問題は、このあとに出てくるのです。
次回予告
成年後見制度の問題とは、具体的にどのようなものなのか。
そして、それが残されたご家族にどんな影響を及ぼしていくのか。次回以降、複数回にわたって解説していきます。